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2012年03月02日

誰が悪いのか?

投資顧問会社「AIJ投資顧問」の年金消失問題で、同社が顧客に繰り返し虚偽の運用報告書を提出していた疑いが強いとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反などの疑いで本格的な調査を始めた。

AIJは金融派生商品を扱った安定収益の確保をうたい、中小企業の企業年金を中心に運用資産を受託し、集めた資金は租税回避地の英領ケイマン諸島に登記された「私募投資信託」に流れていたことが分かった。


金融商品取引法では投資顧問会社に半年に1度、定期的に資産の運用報告書を顧客に開示し報告することを義務づけており、報告書には主要な売買銘柄・運用実績・損益・資産、負債の状況などを記載する。しかし、AIJはケイマン諸島の私募投資信託を扱った正確な運用成績や実態について、顧客に情報開示していなかった。


AIJが企業年金から運用を受託していた約2,000億円の大部分が消失していることが証券取引監視委員会の検査で発覚しており、老後の暮らしのために貯えてきた年金が減額されたり支払われない可能性も出てきた。


2,000億円の大部分の年金資産が、市場環境の急変などによる運用の失敗なのか、顧客からの年金資産を流用したのかなど、毀損した経緯や流れなどの解明を急いでいる。


何故このような事態になってしまったのか?誰も気づかなかったのか?国のチェックに問題があったのではないか?などなど、多くの問題がある。


デフレ不況下、超金融緩和でゼロ金利傾向が続く中、運用がうまくいかない方が常識の時代。その中でAIJは高利回りや長期安定運用を謳い顧客を勧誘していた。しかし、AIJは業績や運用実績の詳細は明示せず、顧客に提示したのは高成績の報告ばかりだったようだ。


AIJは毎月コンスタントに0.5%以上のリターンを稼ぎ、年間10〜20%の運用成績を「表向き」には出し続け、リーマンショック直後もプラスが毎月続いたというのだ。


投資知識がある人であれば、こうした運用成績が不可能であることに気付くはずなのに、プロであるべき年金基金運用担当者がこうした運用成績を信じAIJに投資したことにも大きな問題がある。


では何故このような不可解な運用成績を出し、運用の中身を開示しないAIJを年金基金は信用したのだろうか?


その理由として、膨大な資金を運用する年金基金の運用担当者が投資について素人である場合が多いことと、企業の人事異動の一環として年金運用担当者になることが多いということだ。


そして、年金基金の運用担当者が現在の経済金融情勢で到達できない期待リターンを企業の経営者から求められることにあるようだ。


年間に4〜5.5%程度の運用利回りを毎年安定的に取っていかないと、年金基金の運用が破綻する仕組みになっており、現在多くの年金基金の試算では、将来の年金給付が賄えない状況になっている。ある種の破綻状態にあるのだ。


そして運用担当者は、こうした状況を挽回すべく、期待リターン5.5%では足りないので、年間10%超えのリターンを目指し、毎月安定的にプラスで、年間20%の「みせかけ」の運用成績に目がくらんだのだ。


では、国には問題がないのだろうか?今回のAIJのケースでは、運用はオフショアで行っていたため日本の金融当局の管轄外であり、監査法人も明らかにされていない。日本の金融当局は怪しいと思っていても直接的に運用の中身を精査することができなかったのだ。


しかし、金融庁の投資顧問会社への検査は20年に1度の割合と言われており、検査が少なすぎるのではないだろうか?また、銀行が免許制なのに対し、投資顧問会社は登録制という甘さも問題だ。


運用規制の面でも、1997年12月までは、年金資金は5割以上を国債・地方債などの安全資産、3割以下を国内株式、3割以下を外国の株式や債券、2割以下を不動産と、「5・3・3・2規制」があった。しかし、現在は運用規制がなく、企業年金にかかる法律で「分散投資義務」が定められているにすぎないのだ。


このように多くの問題が積み重なり今回の企業年金問題が浮かび上がったと考えられる。
AIJが悪いのは当然で、運用成績の虚偽報告が許されるはずがない。


しかし、基本的に投資活動ですから、元本割れは常にある。年金基金に任せ放題も駄目、国に頼って検査してもらえばいいも駄目、基金の責任者が監視し、情報開示を求め、情報を出させ、怪しかったら切り替えるなどの処置をとっていく。突き詰めれば自己責任ということになるのだ。


誰が悪いのか?誰に問題があったのか?これらの追求をしても問題の解決にはならない。AIJ以外にも同じような問題を抱えた投資顧問会社が出てくるかもしれない。
各自が自己責任の中で考え判断していかなければ、老後の生活も守れない時代になったのかもしれない。

posted by core at 06:00 | Comment(0) | DOHI の談話室
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