たまにはDohiも経済を熱く語ります!!!
あまりにも有名なバラク・オバマ氏の大統領選勝利宣言スピーチ。
アメリカは変わった(CHANGE HAS COME TO AMERICA)
我々はできる(YES WE CAN)
などの有名なフレーズを残し、アメリカの未来を明るく照らした勝利宣言スピーチ。
その後のアメリカ経済はあの日の勝利宣言のスピーチのように明るい未来をたどったのだろうか?
「CHAGE」や「HOPE」を訴えるオバマ大統領は、ニューディール政策でアメリカ社会を根底から変えたルーズベルト大統領や、ニューフロンティアを訴えたケネディ大統領と比較されることが多い。
リーマンショックから一時は回復軌道に乗ったかに見えたアメリカ経済だが、雇用の回復力は弱く、再び景気が後退局面へと向かう「二番底」の様相を呈してきている。
中国のインフレ昴進、アメリカの成長鈍化、さらにアメリカ経済の先行きに対する悲観論が急激に高まり、現在、多くの国民はオバマ政権に対する失望を隠せないでいる。
オバマ大統領が当選したのは08年。ちょうど、リーマンショックの直後で、アメリカ経済はどん底に突き落とされた状態だった。そのなかで、8,620億ドルもの大型景気刺激策(アメリカ復興・再投資法:ARRA)を打ち出し、300万〜400万人の雇用を創出しようとしたわけだが、現状、雇用の回復力が極めて弱いというのが現実だ。
ARRAの内訳は、減税が2,880億ドル、地方政府への支援・交付金が1,440億ドル、インフラ投資が1,110億ドル、低所得者保護が810億ドル、医療保険関連が590億ドル、エネルギー関連が430億ドルなどである。
しかし、ARRAはその効果を発揮しなかったのだ。
オバマ政権が気にしていたのは、事業の内容ではなく、いかに早く予算が執行できるかであった。資金援助を受けた州政府は、同法が適用される前の水準の支出を維持する必要はなく、資金の「流用」が実質的に認められていたため、多くの州は新規事業を上積みするのではなく、既存の予算を削除したのである。その結果、景気刺激策の効果が滅殺された。
オバマ政権の国家経済会議長であったハーバード大学ローレンス・サマーズ教授は、論文の中で「アメリカは失われた10年に至る道の半ばにいる。06年第1四半期から11年第1四半期までの経済成長率は平均で1%を下回っている。これはバブル崩壊後の日本経済と似ている」と指摘している。
さらに同教授は、「バブルが弾けた後、投資意欲はまったく失われてしまった。ブームの時の過剰投資で資本設備はあり余っている。住宅は空き家になり、モールにはテナントがおらず、工場には注文が来ない。消費者は富の減少が思っていた以上に大きいことに気づき、借入をすべき担保も減り、銀行からの圧力に直面している」と現状を説明している。
連邦準備制度理事会(FRB)はゼロ金利政策を続けており、これ以上、金融政策の緩和余地はない。財政も緊縮に向かって進んでいる。このまま進めば、日本と同じような「失われた10年」に陥る可能性も否定できない。
景気回復のスピードの鈍化に加え、オバマ政権の問題は雇用情勢の悪化である。
失業率の引き下げはオバマ政権の生命線であるが、企業経営者は先行きに対する懸念から、生産増は残業時間と臨時工などで対応し、正規雇用を増やすことには慎重だ。
また、医療保険制度改革に伴って予想されるコスト増から新規採用を抑えたとも見られる。
いずれにせよ、当面、急速な雇用の回復は期待できない状況が続いている。雇用の増加がない限り、個人所得や個人消費の増加による景気の自律回復は期待できない。
史上最大の景気刺激策が効果を発揮していないという事実の前に、オバマ政権は守勢を強いられ、共和党の術中にはまり、歳出削減による財政赤字削減を迫られている。
だが、オバマ政権は福祉関連の予算の削減はいうまでもなく、不況時に歳出を削減することは経済状況をさらに悪化させるとして、抵抗の構えを崩していない。
議会予算局の見通しでは、財政赤字拡大の80%は医療保険制度の導入によって発生するものであるが、オバマ大統領は法律に修正を加える気はなく、むしろ12年に期限が切れるブッシュ減税を廃止して、富裕層への課税を増やし、10年間で7,000億ドルの増収を目指している。
オバマ政権は、政権発足後一年間の議会での法案の得票獲得率では過去50年間で最も高く、法律成立では大きな成果を上げている。しかし、オバマ政権が何をしたのか見えてこない。
国民も、オバマ大統領に対して厳しい目を向け始めている。アメリカ国民の44%はオバマ政権発足時と比べて生活が悪化したと考え、良くなったと答えたのは34%に過ぎなかった。
「CHANGE」「YES WE CAN」をかかげたオバマ大統領にアメリカの未来を託したアメリカ国民。自民党政権に見切りをつけ民主党に未来を託した日本国民。
アメリカも日本も明るい未来のために「CHANGE」を選んだが、両国の経済の先行きは明るいとはとても言えない。
そして、アメリカでは大統領選を控え、アメリカ国民がもう一度アメリカの未来について審判を下す時がやって来る。日本でも民主党政権の政権運営能力に疑問の声があがり、次期衆院選に向け国民の判断が問われる時がやってくる。
今年、アメリカと日本の国民が現状に「CHANGE」を突き付けるのか?それとも、このまま突き進むのか?その判断に注目していきたい。
2012年02月17日
バラク・オバマ政権 アメリカ経済
posted by core at 06:00
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| DOHI の談話室
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