株式会社コアマネジメント HOME当サイトについて個人情報の取扱サイトマップ
お問い合せ
会社概要 事業内容 業務事例 COREな談話室 LINK
 TOPページ > COREな談話室

2011年07月29日

海と毒薬

今回の稿はカテゴリを「おすすめ」にしてはいますが、積極的におすすめではないということをご了承ください(汗)

さて、私は高校生時代から読書好きでありました。高校生の時は、夢を持った少年?らしくマーク・トウェインの「トム・ソーヤーの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」や、ミーハーな私らしく赤川次郎の三毛猫ホームズシリーズ等を読んでいました。

大学生になり、ミッション・スクールだった影響かは記憶に定かではありませんが、遠藤周作の作品を読み漁るようになりました。確かもともとのきっかけは歴史好きで、司馬遼太郎の作品を読みはじめたのですが、別の作者の同じ人物を描いたものを読んでみたいという好奇心から、隆慶一郎、遠藤周作にたどりついたのだと思います。

つまり、当初は遠藤周作の代表作ではなく、織田信長、明智光秀、羽柴秀吉の三者を描いた「反逆」、加藤清正、小西行長を描いた「宿敵」、この2作品との出会いが遠藤周作の作品にはまるきっかでした。

今回のタイトルの作品は、私の地元、福岡が舞台であり、第2次世界大戦中に実際に起こった出来事をベースとした作品なのです。

福岡も米軍の空襲が激化する中、九州帝国大学、この書では「F大学」になっています。米軍捕虜の人体解剖という倫理上、通常ではありえないようなことが実際に行われ、当事者は戦後に軍事裁判で裁かれてはいるようですが、かなりの問題作であります。

1986年に映画化もされていますがこの作品も脚本ができてクランクインするまでに16年以上の歳月を費やしています。

20代のときにこの作品、3〜4度読み直しておりますが、内容の重さを感じるばかりで私の感性には今ひとつ響きませんでした。惰性で読んでいたようなものですね。

35歳のときに大病を患い、生とは何か?死とは何か?を真剣に自分自身と向きあって考えました。

当時、入院していたのはこの作品のモデルになった九州大学病院であり、今でこそ全てが新設の病棟になり、当時の舞台の病棟は解体されて跡形もなく更地になっています。しかし、私の入院時、退院後の通院時は、おそらくこの作品で描かれているような事態が起こった舞台の病棟、手術室、院内の食堂は存在しておりました。当時はそれどころではなかったので、その時の記憶をたどりながらこの作品を読みました。



現在は、以前この書を読んだ時より年齢を重ね、前述のような経験を踏まえて感性、倫理観、論理性、も大きく変わったと実感しています。



「海と毒薬」というタイトルの趣旨、このストーリーに織り込められた著者の思いが伝わってくるような気がします。



「海」は「罪」、人の心の中にある罪悪感、倫理観を指すものであり、登場人物のこの部分に迫るときにかならず「海」が登場します。その「海」は、深く暗いものばかりです。

「毒薬」は「罰」、その人としての倫理観の一線を越えた時の「罰」を、このストーリーの舞台にもなった大学病院にもじって「毒薬」としたのではないでしょうか?



いずれにしても決して「おすすめ」ではない書なので、ご興味ある方は読まれてください・・・

posted by core at 06:00 | Comment(0) | おすすめ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

株式会社 コアマネジメント
〒814-0171 福岡市早良区野芥2丁目25-3-107
TEL:092-985-0502 FAX:092-980-1059
URL:http://www.coremanagement.jp/
Copyright (C) 2010 COREMANAGEMENT Co.,Ltd. All Rights Reserved.