さて前回の続きになりますが、まずはその前提にリスクの評価における対応策を簡単にご説明しましょう。
この場合の対応策は、経営者の主観によるところも多くその判断はその時の経済状況、社会情勢、経営方針でも変わることもあります。つまりは、スパンはその企業によって様々ですが定期的な見直しも必要なことになります。
まずリスクの評価とは何ぞや?ですが
これが経営方針がベースとなる、企業の、そして経営者の事業目的になってきます。つまりは経営活動を行ううえで生じる様々なリスクにどのように対応するかということがリスク・マネジメントになりますので、この事業目的、経営方針なるものが明確になっていなければリスクの評価もままなりません。
様々な企業活動に対して起こりえるリスクの評価には
【受容】つまりはリスクを受け入れるということと、【回避】つまりはリスクを生じるものには取り組まない、いわゆる拒絶という対極になるものの中間があります。
【低減】これは受容しつつもリスクが生じた時の影響を少ないものにするように対策を講じることです。
【分散】これは受容しつつもリスクが生じた時の影響を分散するもので前述の【低減】と類する対策の手法です。
【移転】これは受容しつつもリスクが生じた時のリスクの受容先を移転することで損害保険や生命保険がその主たるものです。
災害リスクというものは、事業リスクと違い【回避】はできないので、【受容】の中からどのような対策を講じるかということが重要になってきます。
リスクの評価における、経営方針、経営戦略との因果関係でダウンサイドリスクとアップサイドリスクという考え方があります。
これは、何を意味するかというとダウンサイドリスクは発生時に事業影響の大きいものを少ないものにしていこうという対応策を講じる場合をいいます。災害に対する対応が代表的なものです。
アップサイドリスクは発生時に事業影響が大きくても経営方針で、リスクが多くなる方に舵取りをすることを言います。分かりやすくいうと販路拡大、販売先への販売額の増加です。債権リスクは膨らんでもそちらの方向でいくという経営判断は珍しいものではありません。
リスクは内的要因から生じるケースと、外的要因から生じるケース、そしてそのどちらからも生じるケースもあるということです。内部統制、マネジメント体制の構築における分析手法で有名なSWOT分析というものがあります。
Strength(強み)、Weaknesses(弱み)、つまりは自社の内部環境、内的要因の強み、弱みを見極め、
Opportunities(機会)、Threats(脅威)自社を取り巻く外部環境、外的要因の機会、脅威に対応していくための対策を講じる
経営方針、経営戦略を実現するうえで、自社の状況を明確に見極めて、そこから内的要因、外的要因にたいしてリスクをどのように評価して、リスクにどのように対応していくかというものがリスク・マネジメントの基本になっていきます。
弊社では経営基盤強化プログラムのなかでこのリスク・マネジメントにも非常に力を入れています。BCP策定のお手伝いも積極的に取り組んでおりますのでご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
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2011年06月16日
リスク・マネジメントA
posted by core at 06:00
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| 内部統制
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