現在の日本における企業会計は、99%の中小企業が採用している一般会計、つまりは会社法に基づいた会計基準に、税務会計、つまりは法人税法に基づいた課税所得をもとめて税金の計算まで行うようになっております。ここに上場企業会計、つまりは上場企業が採用する金融商品取引法に基づく投資家保護を前提とした会計基準があります。
中小企業は一般会計の結果と税務会計の結果は概ね一致するはずです。上場企業は一般会計、税務会計をワンセットと考えて、それに金融商品取引法に基づく上場企業会計があるという位置づけからいわゆるダブルスタンダードと考えます。
今後のIFRS(国際会計基準)導入により上場企業は、もうひとつの企業評価を開示することになるのでトリプルスタンダードになることになります。
さて、中小企業には一見対岸の火事ともとれるこのIFRS(国際会計基準)の肝は前述の公正価値にもとづいた企業評価法へのシフトということですが、これが中小企業にも大いに影響が出てくると思います。
社会インフラとも言える金融機関を管理監督しているのはご存じの金融庁です。つまりは、中小企業の内容を開示する指標ともいえる決算書の会計基準が一般会計に基づいていても、金融機関は企業査定の基準がこの包括利益をベースとした公正価値に基づいた評価をするようになっていくはずです。
つまりは簿価会計(取得原価主義)が、時価会計(時価評価主義)に変わっていくことが想像できます。
中小企業の経営者の方は、決算書が企業の実体すべてと勘違いされているケースが多々あります。感覚的に含み益、含み損があると分かっていても決算書に出ている数値が実体と思ってしまうものなのです。
今一度、自社の企業実体を公正価値に基づいて再評価されてみてはいかがでしょうか?
IFRS(国際会計基準)は上場企業にとっては、制度改正でもありますが、中小企業にとっては制度改正ではなく、企業価値に対する認識転換の必要性に迫られる実に難しい問題なのです。


