先週の2010年11月18日、米自動車大手ゼネラル・モーターズが株式の再上場を果たしました。2008年のリーマン・ショックに端を発っした未曾有の世界不況はこの米国経済の象徴とも言うべきビッグ3の、GMとクライスラーを経営破綻にまで追い込みました。
それからわずか17ヶ月で政府管理下のもと再上場を果たすとはアメリカの底力をまざまざと見せつけたようなものでしたが、これには前述の政府の手厚い庇護があり実質無借金経営で運営できる環境を整えたからでした。
さてここでGMの奇跡の再生劇ですが、実は経済学に基づくと論理的に説明できるもののようです。
短期所得弾力性という数値があるそうです。
これは所得が1%減ったとしたら、その商品を買うのに使うお金がどれだけ減るかを指す数字だそうです。
これは経済学で以前から統計に基づいて出されている数値なのでかなりの確率で経済の実体と一致するそうです。
ここで実は自動車の短期所得弾力性なのですが、5.5だそうです。これが何を意味するのか?
リーマン・ショック後の米国のGDPはマイナス6%、空前絶後の落ち込みを記録しました。さてこのマイナス6%に前述の短期所得弾力性の自動車の数値をあてはめてみますと6×5.5=33となります。
この33という数値、リーマン・ショック後の北米市場における自動車販売台数の昨年対比の減少率(33%)と一致するのです(驚)
つまりは、リーマン・ショック後北米市場を襲った自動車販売台数の急速な減少は経済学上十分に予測できたものだったのです。
さてこの短期所得弾力性の話には続きがあります。これは急激な景気後退に伴って消費者の財布の紐が真っ先に縛られるところではありますが、これは一時的な話であり、実はもうひとつ長期所得弾力性という数値もあるのです。
これは1年以上過ぎた時の状態を指す数値であり、これでは自動車は1.1になるそうです。
これは何を意味するかと言いますと、GDPがマイナス6%に減少した翌年にマイナス1%の減少で済んだとしましょう、するとこの1に1.1をかけるのですがその値は1.1になります。つまりは車の販売台数は1.1%のマイナスにしかならないということです。
一旦急速にしぼんだ市場はその後下げ止まりして、一気にV字回復なみの販売台数に転じるのです。33%の販売台数減のときに買い控えをした消費者はこの年に買うのを止めただけでいずれ車社会の米国は必ず買いかえるのです。つまりは500万台以上の車がこの翌年以降に購入されるということなのです。
今回のGMの再上場に投資した投資家たちは、このような短期所得弾力性と、長期所得弾力性のバランスを見極めて投資されて方も多々いるようです。勿論、アメリカのシンボルでもあるGMを再生すべく結束した部分も多々あるのでしょう。
いずれにおいても、トヨタ、ホンダ、日産をはじめてする国内メーカーもこの数値には十分に合致するそうなのでいずれにおいても今後の自動車産業は新興国市場も含めて再度世界の産業界を引っ張っていく予感がします。
・・・もちろん環境車も含めて従来の構造とは全く違う形のものにはなりそうですが
2010年11月22日
GM再上場
posted by core at 06:00
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