株式会社コアマネジメント HOME当サイトについて個人情報の取扱サイトマップ
お問い合せ
会社概要 事業内容 業務事例 COREな談話室 LINK
 TOPページ > COREな談話室

2010年11月18日

スポーツビジネスの難しさ

今回はJリーグにおいて、現在問題となっている二つの事例をもとにスポーツビジネスというものを検証してみようと思います。

まずは、J1の大宮アルティージャの入場者の水増し問題について、一般の企業でいう売上の水増しでありいわゆる粉飾決算をしていたわけです。つまり企業においてはコンプライアンス(法令遵守)に問われた訳です。

ここで何故当事者は入場者の水増しをしたのかということですが、JリーグにはJリーグに加盟するための様々な要件があります。勿論観客動員数もその中のひとつです。今回の水増しは要件を満たさなくなるために行ったというのではなく、入場者が少ないとコンテンツ、広告媒体としての魅力がなくなることを恐れた経営陣が慣行したことが発端のようです。

前述のコンプライアンス(法令遵守)を問ううえでのそもそも論になりますが、このJリーグに加盟するためのJリーグ規約というものは商取引上のルールを定めたものではないということです。

そこにはJリーグの創設にかかわった方たちの理念や思想が込まれています。Jリーグが入場者を実数で発表することになったのは、「お客さんの一人ひとりを大切にしよう」という理念に基づいてのことなのです。つまりは、25,000人と発表するのではなく、25,023人とすることにより、その一人ひとりにクラブが謝意を抱いていることを伝えるという意志、そして観客の立場からすると自分が25,023人分の1人として試合に関与し、クラブに貢献できたという認識を持っていただくという願いを込めた崇高なルールだったのです。

Jリーグはリーグ発足時10チームでしたが、18年目を迎えた今年は37チームまで増えました。これは関係者の方、そしてサポーターの方たちの努力の結果であり、素晴らしいものではありますが、創設時の理念をしっかりと受け継いで運営されているかというと否だと思います。

理念も時とともに形骸化してしまうのです。

次にJ2の大分トリニテータのケースです。こちらは運営会社の大分フットボールクラブが経営危機に陥っており、この度県の外郭団体による2億円の緊急融資により当座の破綻の危機を逃れることができました。

しかしながら、この緊急融資はつなぎ融資でしかなく2012年1月期に2億円、翌年に3億円の合計5億円をJリーグに返済しないといけないのです。

こちらは企業経営における経営計画の見通しが甘いの一言につき、J2降格後もJ1時と同様の入場者収入、広告収入を見込んでいたことが発端であり、大分県にプロスポーツがないということで、地方自治体の支援を得られ続けられるという前提において計画が立てられたようです。そもそも地方自治体の支援は公金であり、サッカーに興味がある人たちならともかく、興味がない方たちの支援まで受けることに結果的にはなるのです。

その判断は支援者がすることなのに、企業が勝手に判断しているというところがスポーツ=公器という大義名分的な甘い認識からスタートしていることにあると思います。

Jリーグの各チームも企業です。

各自がしっかりと経営理念、経営計画に基づいて企業運営を行っていくのは当然です。しかし、そこにはビジネスとしての論理と、スポーツとしての文化的な感傷が入り混じりビジネスでは考えられないような甘い判断、対応も出てしまいます。

スポーツというものをひとつの大きなコンテンツとしてとらえるとあらためてスポーツビジネスの難しさ、そしてその魅力ともいえるものがビジネスモデルとしては足かせになる可能性もあり、いわゆる両刃の刃でもあるということをしっかりと理解して取り組む必要があるということを再認識させられた事例でした。
posted by core at 06:00 | Comment(0) | ビジネス
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

株式会社 コアマネジメント
〒814-0171 福岡市早良区野芥2丁目25-3-107
TEL:092-985-0502 FAX:092-980-1059
URL:http://www.coremanagement.jp/
Copyright (C) 2010 COREMANAGEMENT Co.,Ltd. All Rights Reserved.